【札幌】介護職の事情・需要とは?

「少子高齢化社会」という言葉を耳にする機会が非常に多いことからも分かる通り、現在の日本は高齢者の数がとても多くなってしまっています。そのため、介護業界は深刻な人材不足に陥ってしまっているのが実情です。
日本全体だけでなく、札幌にも同じことがいえます。あるデータによると、北海道には9万人以上の介護職員がいるそうです。9万人と聞いても果たして十分な人数なのかそれとも不足しているのか分かりづらいと思いますが、結論からいうと、北海道の介護職員は需要に対してかなり不足しています。
北海道の人口はおよそ528万人です。高齢者とされる65歳以上の人の数はそのうちの約3割、およそ165万人となっています。
もちろんすべての高齢者が介護を必要としているわけではありません。しかし介護を受けなくてはいけない人もとても多いということを考えると、9万人という介護職員の数は十分ではないことが分かるでしょう。
介護は決して楽な仕事ではなく、離職率が高いということもその傾向に拍車をかけています。今後2060年まで高齢者は増え続けていくと予測されているので、これからますます介護の需要が高まっていくのは確実です。
ただしこうした状況は悪いことばかりではありません。2060年頃まで高齢者は増え続ける傾向にあり、なくなることのない仕事だと言われているため、ある意味介護業界というのはとても安定した業界です。
また、景気に左右されることがないのも強みでしょう。そのぶん給料が他業種より少し低くなってしまう場合もあるかもしれませんが、不景気にあおられて仕事を失うということが起こりづらいのは嬉しいポイントです。
大変なこともなかなか多い業種ではありますが、安定性を重視するのであれば介護はかなりおすすめできる仕事の一つとなっています。
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- 北海道の介護職員は需要に対してかなり不足しているのが現状
- 2060年頃まで高齢者は増え続けるため、介護職はある意味安定した仕事
- 景気に左右されることもないため、失業の可能性はほとんどない
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とは?詳細を確認

介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)と聞いてもいまいちどういった資格なのかピンとこない人がいるかもしれません。介護職を目指す場合には取得が必要不可欠ともいえるこの資格について、詳細を確認しましょう。
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)とは?
介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識や技術を身に着けるための資格です。入門的な内容となっているので、今後介護業界で活躍していきたいと考えているなら欠かさず取得しておいたほうがよいでしょう。
内容は大きく分けると、掃除や洗濯などといった家事にまつわる「生活援助」と、介護対象となる方に直接触れて食事や入浴、排せつといったことを行う手伝いをする「身体介護」の2つに分けられます。真剣に取り組めば、介護業界で働くための能力を一通り習得することが可能です。
2013年4月1日に介護保険法施行規則改正が行われるまで、初任者研修は「ホームヘルパー2級」という名称でした。名称の変更が行われたのは、介護業界のキャリアパスを分かりやすくシンプルにするためです。
それまでの介護業界は、キャリアパスがとても複雑なせいで労働に対して給与が見合わないという問題が起こりがちでした。その問題を解消するために介護制度が変えられたことによって資格の名称も変わったというわけです。
資格を取るメリット
いったいこの資格を取ったからといってどんな役に立つのかと疑問に感じてしまう人もいることでしょう。しかし初任者研修の資格を取ることには具体的なメリットがたくさんあるので、不安に思う必要はありません。
まずなによりも大きいのは実用性の高い技能を身に着けられるということです。介護はかなり専門性が高い業種なので、独学では実際の仕事に役立つ知識を得るのはあまり簡単ではありませんが、初任者研修は授業や実習への参加が必須となっているため必要な技能を的確に習得できます。
給料アップを見込めるのも初任者研修の資格を取得するメリットの一つです。資格を持っていれば資格手当をもらえる場合がとても多いため、介護の仕事に就きたいのであれば初任者研修の資格を取っておいて損はありません。
キャリアアップの足がかりになるというのも初任者研修の特徴です。初任者研修より少しレベルが高い「実務者研修」という資格の取得を目指す際、初任者研修の資格を取っていれば通常より短い時間で資格を取得できる場合があるため、将来的にキャリアアップをしていきたいなら初任者研修はぜひとも取っておきたい資格だといえるでしょう。
さらに、身近な人の介護に役立てられるというのも、初任者研修の資格を取得する利点といえる要素です。初任者研修は介護の基礎的な部分を学べる資格なので、誰か身近な人に介護が必要になった場合、資格を取っていれば学んだことを活かして自分で介護することができます。
資格を取るためには?
初任者研修の資格を取得するためには、合計130時間の講習を受けたのち、筆記試験に合格する必要があります。講座は通学の他に、通信でも受けることが可能です。
カリキュラムは合計で8~10項目存在し、すべてのカリキュラムを学び終えたら修了試験となります。修了試験は70点がおおよその合格基準となっているので合格するのはそれほど難しくはありませんが、万が一不合格になっても再試験を受けられるので安心です。
対象者
介護職員初任者研修は介護の基礎から学ぶので、介護職未経験の方でも、誰でも受講することができます。介護の仕事に興味がある方はもちろん、家族の介護に活かしたいという方にもおすすめです。
受講の流れ
一般的な受講の流れとしては、スクールへの入学申し込み後、スクーリング(通学)と並行して通信課程を自宅で取り組みます。スクーリング最終日に筆記試験を受け、合格すれば修了証を受け取ることができます。
受講期間
上述した通り、講座の受講時間は合計130時間です。なお、そのうち通信課程による学習時間の上限は40.5時間と定められています。
受講期間については、スクールに通学するか、通信講座で学ぶかによって異なります。通学の場合、ほぼ毎日通うのであれば1か月~1か月半程度、週2日程度通うのであれば4か月~半年程度が目安です。通信の場合は3~4か月程度が目安ですが、短期集中講座であれば最短3週間での取得も可能です。
受講コース例
1か月~1か月半で取得できる短期集中コースであれば、平日3~5日通うケースが多いようです。また、働きながらでも無理なく通える週1日コースであれば、平日や土日など複数の曜日に開講しており、好きな曜日を選ぶことができるスクールもあります。さらに、土日2日間通うコースや、夜間コースを開講しているスクールもあります。
時間としては、日中に通うコースの場合9時~10時頃始まり、途中休憩を挟んで16時~17時頃終了するスクールが多くなっています。夜間コースの場合は1日につき3~4時間程度しか学べないため、通う日数は多くなります。
給付制度
介護職員初任者研修を受講するに当たっては、「教育訓練給付制度」「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」などの給付制度を受けることができる場合があります。
「教育訓練給付制度」に関しては、雇用保険の被保険者(または雇用保険の被保険者資格喪失から1年以内)で、支給要件期間が3年以上(初めて制度を利用する場合は1年以上)の方が対象となっています。給付額は受講料の20%です(修了後にハローワークから給付)。なお、自身が支給対象かどうかはハローワークにて照会することができます。
「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業」に関しては、20歳未満の子どもを扶養する母子家庭の母または父子家庭の父で、「児童扶養手当の支給を受けているか又は同等の所得水準にあること」「就業経験、技能、資格の取得状況や労働市場の状況などから判断して、当該教育訓練が適職に就くために必要であると認められること」という要件を満たしている方が対象になります。支給額は受講料の60%です。ただし、自治体によって事業の有無や受給資格が異なりますので、福祉事務所や自治体の窓口などであらかじめ確認しておくようにしてください。
資格取得後の主な就職先と仕事内容
介護職員初任者研修取得後の就職先としては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、デイサービス・デイケア、訪問介護事業所、医療機関など幅広い選択肢があります。どのような施設に就職した場合でも、入浴・食事・排泄の介助や生活援助が主な仕事内容となります。
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- 介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識や技術を身に着けるための資格
- 資格取得により、給料アップが見込める
- 実務者研修という資格を取得しやすくなり、将来的なキャリアップにも繋がる
- 介護職員初任者研修を取得するには130時間の講習が必要で、通学でも通信でも受講可能
- 給付制度の対象者であれば、費用負担を抑えて資格を取得することができる
【介護職員初任者研修】スクールで取得する場合の料金相場は?

介護職員初任者研修の取得を目指すにあたって、どれくらいの費用がかかるのか気になっている人はとても多いことでしょう。給与アップなどを見込めるにしても、資格取得にかかる費用が高かったら元も子もないので、それはもっともな疑問です。
しかし、初任者研修の資格取得にはそこまで莫大な費用が必要というわけではありません。通信の場合はなんともいえませんが、スクールで取得する場合の料金相場はおよそ10万円です。
もちろんスクールによって料金は違うため、もう少し費用が必要な場合や、逆に10万円より大幅にすくない額で資格の取得が可能なこともあるでしょう。スクールに申し込む際は、相場はあくまで目安として考え、どのくらいの料金が必要なのかをちゃんと確認するのが大切です。
そして、なかには費用がかなり安くなるキャンペーンを行っているスクールも存在するため、なにかお得なキャンペーンを行っているかどうかというのも忘れずにチェックしておくとよいでしょう。場合によっては2万円ほど料金が安くなることもあるので、キャンペーンの有無は意外と大事な部分です。
介護スクールを選ぶうえでのポイント

介護スクールはそれぞれに異なった特色があり、どのスクールを選んでも同じというわけではありません。そのため、スクール選びをする際は、選ぶうえでのポイントを知っておく必要があります。
ここでは、どんなポイントに気をつければ上手に介護スクールを選ぶことができるのかを解説します。スクールに通学して介護の資格を取得しようと考えている人は、ぜひ役立ててみてください。
場所(アクセス)
基本的に、介護の資格は自分一人で勉強するだけでは取得することができません。初任者研修はおよそ20日、実務者研修もおよそ10日間通学しなければいけないことになっています。
そのため、介護スクールを選ぶときは通いやすい場所にあるかどうかという点がとても重要です。休日などを利用して通学するのであれば自宅から、仕事の合間に通学する予定なら職場からのアクセスがよい場所にあるスクールが最適となります。
介護スクールによっては、駅から徒歩圏内にあるところも存在するため、電車での通学を考えている場合はそういったスクールを選ぶとよいでしょう。なかには駅から徒歩5分といったアクセス抜群のスクールもあるので、せっかくならアクセスの悪いスクールよりそのくらいアクセスのよいスクールを選びたいところです。
価格
介護スクールの料金はスクールごとにかなり違いがあります。あまりよく吟味せずに決めてしまうと損をすることになる場合があるため、料金もしっかりチェックするようにしましょう。
独自の割引制度があるスクールも多いので、なによりもまず価格の安さを重視するという人は割引制度があるかを最初に確認するようにするのがおすすめです。また、記載されている料金にテキスト代などが含まれている場合と含まれていない場合が存在するため、その点の確認も欠かさず行うのが重要になります。
受講期間
資格取得に必要な時間は決められているので、どのスクールでも受講期間は一緒なのではないかと思いがちですが、実はそんなことはありません。スクールによって、受講期間にも違いは存在します。
たとえば初任者研修の場合、標準的な受講期間は4ヶ月ほどといわれていますが、短い期間で資格を取得できるスクールだと1ヶ月程度で済むことがあります。仕事をしつつ資格を取得したいと考えている人は、なるべく短期間で資格を取れるスクールはないかという観点でスクール選びをするとよいでしょう。
実績
どれだけの実績があるのかというのもスクール選びをする際の基準になります。介護スクールのホームページを見てみると、どんな実績があるスクールなのかが記載されている場合があるので、その情報を信頼できるスクールかどうかの見極めに役立てることが可能です。
特に、何年間運営されてきたのかということや、どれくらいの人数の修了生を輩出してきたのかといった実績は参考になります。長年運営が滞りなく行われ、何万人もの修了生を輩出している学校は、それだけ信頼できるというわけです。
講師の質
講師の質というのも見落としてはいけないポイントです。他の条件がどんなによかったとしても、在籍している講師の質がよくなかったら意味がなくなってしまいます。
通ってみなければ講師の質がよいか悪いかということを判断するのは無理なのではないかと思うかもしれません。しかし、どんな講師陣が在籍しているかをホームページに記載しているスクールも存在するため、事前に講師の質をチェックするのが可能な場合があるのは事実です。
スクールそのものの質と同じく、講師も長年講師として活躍している人はかなりよい講師だといえます。ホームページに「講師歴〇年以上の講師が在籍」といったことが書かれているスクールなら、質の高い指導を受けられる可能性が高いでしょう。
就職・転職支援
資格を取ったらそれで終了、ではなく、資格取得後の就職や転職支援を行ってくれるスクールもおすすめです。介護スクールというとただ勉強をするためだけの学校というイメージがあるかもしれませんが、資格取得後のサポートがしっかり存在するスクールも多数あります。
特におすすめなのは、独自の介護求人サイトを運営しているスクールです。普通の求人サイトには掲載されていないような求人を紹介してもらえる場合があるため、就職や転職のことを考えるならそういったタイプのスクールを選んで損はありません。
ポン
【介護スクールを選ぶポイント】
- 通いやすい場所にあるか
- 料金はどのくらいか、料金表示にはテキスト代なども含まれているか
- 受講期間はどのくらいか
- 運営年数やこれまでに輩出してきた修了生の数はどのくらいか
- 講師の質は高いか
- 就職・転職支援が充実しているか
まとめ
介護業界は全国的に人手不足に陥っていて、札幌市内でもかなり人手は足りなくなっています。需要はこれからも増す一方ですので、介護の資格を取得して介護業界デビューするのは賢い選択だといえるでしょう。
とはいえ、介護の資格はどうしてもスクールに通わなければ取得することができません。もしスクール選びをする際は、ぜひ今回お伝えした情報を参考にしてみてくださいね。