札幌の介護スクールで医療分野の知識は学べる?
介護に携わる仕事をするのであれば医療分野の勉強もしておきたいところですよね。介護スクールに通いさえすれば医学的な知識も得られると考えている人は少なくないようですが、実際のところはどうなのでしょうか?ここでは、札幌市内の介護スクールに通った際に、医療分野の知識についてどれくらい学ぶことができるのか解説します。
受講期間は4か月ほどの介護スクールが多い
介護職員初任者研修(旧:ホームヘルパー2級)は130時間の受講で資格取得となるので、札幌市内にある介護スクールの場合は大半が4か月ほどの受講期間を設定しています。その場合、1日あたり2~3時間ほどの授業時間になることがほとんどです。中には、1日6時間授業として、総受講期間1ヵ月を売りにしているスクールもあります。
さて、この130時間でどのようなことを学ぶのでしょうか?一番時間を割くのは、こころとからだの仕組みについてや、生活支援技術に関する事柄です。一般的にはこれらに75時間ほどあてており、次いで9時間ずつ、介護における尊厳の保持・自立支援、介護福祉サービスの理解と医療との連携について学びます。
また、介護におけるコミュニケーション技術が6時間、医療分野の授業としては老化に関することや認知症の理解が各6時間、障害の理解が3時間と設定されている場合が多いとされています。札幌市内の介護スクールなら、基本的にはどこでも最低限これだけのことは学ぶことができるのです。
介護職員初任者研修は130時間の受講後に筆記試験を受けますが、合格ラインは70点くらいといわれているので、それほど難しい試験ではありません。スクールできちんと勉強すれば合格できるラインといえるでしょう。また、実務者研修の場合は、450時間の受講が必要になります。医療的ケアも学習する機会があり、喀痰の吸引や経管栄養などを学びます。さらにオプションでさまざまな内容を学ぶことができるスクールもあります。
医療分野の知識はどれくらい学べるのか
前述した通り、介護職員初任者研修は130時間、実務研修は450時間の受講です。医療分野の知識は学べるのかという疑問がありますが、そもそも医療分野の知識とはどれくらいの知識が望まれているのでしょうか。
認知症に関しては素人よりは詳しくなりたいという程度なのか、検査データを見ればどういった病気なのか大体はわかるようになりたいのか、服用している薬を見ればどういう病気なのかわかるようになりたいのか、もしくは解剖学や生理学も学びたいといったレベルまで望んでいるのか、その程度により、答えは違ってきます。
医学部や看護学部では、毎日朝の9時頃から夕方の5時頃まで昼休み以外は空き時間なく学んでいます。夏休み中も実習に出かけることが多いので、年間1,000時間以上学んでいる学校もあります。それが、4年または6年間なので、札幌市内のどの介護スクールと比較しても、勉強量は足元にも及びません。そこで得られる知識も同様です。
しかし、認知症や障害に関することに関しては素人とは比べ物にならないくらい詳しくなるでしょう。一般人は認知症と聞くとアルツハイマー型認知症しか知らない人が多くありますが、実はレビー小体型認知症や脳血管性認知症、前頭側頭型認知症などもあり、これらに関しても詳しく学びます。
また、受講生の気持ちひとつで、看護師や医師の言動から学べることも多々あります。介護スクールでもらったテキストの知識を土台にして、自分で本を購入したり講演会に出席することで、さらに知識を積み重ねることも可能です。土台がしっかりしていないと知識を積み上げることは難しいので、まずは介護スクールでしっかりと学びましょう。
いくつかの介護スクールを比較して検討しよう
札幌市内にはいくつもの介護スクールがあり、それぞれに売りとしているメリットがあります。就業サポートもしっかりと行なっていて全国にいくつもの教室があるので転勤しても安心、講師陣がベテラン揃いである、札幌駅から近くて通いやすいなど、パンフレットを見るとメリットがいくつも紹介されています。
パンフレットには、先着10名で受講料が半額、今なら割引キャンペーンというような宣伝が書かれていることがあります。これらの割引はとても魅力的かもしれませんが、それだけで選ぶのは少々考えものです。試験の合格率はどれくらいなのか、講師陣はどういった人なのかといった点が実際に学ぶ際には重要となります。
さらに医学的な知識も学びたいのであれば、介護関係の経験者だけではなく、医師や看護師や栄養士が講師として教えているところがよいでしょう。より専門的な病気や栄養に関する質問が可能となるので、医療的な知識も自然と身についていきます。
札幌で介護スクールを選ぶときは、いくつかのスクールを比較検討することをおすすめします。一番よいのは、実際に教室に行ってみて、受講が終わって教室から出て来る受講生の顔を見ることです。活き活きとした表情をしているか、疲れ切った顔をしているか、ため息をついていないかなどを見てみましょう。おおよその授業の雰囲気がわかるでしょう。
しかし、どの介護スクールを選んだとしても、あなた自身のやる気が一番重要だとことを忘れないことが一番大事なのかもしれません。
介護スクールで学んだことを土台にして、自分で医療知識を積み上げていくことは充分に可能です。しかし介護スクールで学ぶことは、あくまでも土台です。土台をしっかりとしたものにするかどうかは、あなた次第だともいえます。予習や復習をしっかりと行ない、自分でもいろいろと調べてから授業に臨み、積極的に講師に質問をすると、プラスアルファの知識も学べるはずです。