介護を勉強する最適な方法は?資格は取得したほうがいい?
「介護の職に就きたい!」そう思ったときに、どんな勉強をすればよいのでしょう。未経験のままでは、なかなかよい職に就くことができないうえ、なにより即戦力にならないので現場で苦しい思いをするかも知れません。そこで勉強する最適な方法や、取得したほうがよい資格などを紹介しましょう。
一番勉強になるのは研修?
介護の仕事で重要なのは、現場で通用する人材であるかどうかです。色んな知識を持っていても、現場で実際に有効でなければ意味がありません。これは、介護の仕事に限ったことではなく、ほとんどの仕事に共通することでしょう。たとえば、パソコンへの知識が豊富でも、エクセルの使い方がわからなければ現場では使い物になりません。
介護の仕事でいえば、車いすからベッドへの移動を介助する際に、コツがわかっていないと転倒したり、自身の腰を痛めたりします。何事も、経験に勝る勉強はありません。このような観点からいうと、介護で一番勉強になるのは、現場研修でしょう。机の上で学んだ知識を、現場で実際に使ってみる。
先ほどの介助では、腕の力の入れ具合や相手を支えるポイントなど、実際に先輩の動きを見てマネしてやってみると、自分なりのコツもわかってきます。また、介護経験が豊富な方の講演や講習は、実践に役立つ知識を教えてもらえる貴重な場です。経験に基づく話は、教科書や参考書には載っていない貴重なもののため、機会があればどんどん参加しましょう。
介護の仕事で資格を持つ意味
介護職に就くには資格を持っている方が、スキルアップも望めるうえ仕事への充実感はアップします。介護の資格には単に座学だけで取得する資格はほとんどなく、現場を知っていないと取得できない資格ばかりです。介護職に就いたなら「①初任者研修⇒②実務者研修⇒③介護福祉士」の順に資格を目指すのが一般的な流れです。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎知識・介護スキルがあることを証明する資格で、介護職で最初にトライする資格となっています。入門的な資格で最短1ヶ月にて取得が可能ですが、130時間のカリキュラムを修了して、修了試験(筆記)で合格する必要があります。独学だけでなくスクールに通って、専門的な勉強も必要です。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の上位版です。この資格を取得すれば、サービス提供責任者として介護職で活躍できます。その他、医療行為とされる「たん吸引と経管栄養」を学んで、介護現場で活かすこともできます。また、この資格は介護職で唯一の国家資格となる「介護福祉士」を受験するには取得が必要不可欠な資格です。取得するには、介護スクールに通って単位を取り、自宅学習と組み合わせて、修了試験を受けて合格する必要があります。取得期間は最長で、約6ヶ月必要です。
介護福祉士(国家資格)
介護福祉士は介護の資格の中で、唯一の国家資格です。受験資格は3パターンあり「養成学校を修了」「実務経験3年以上」「介護福祉士実務者研修取得」のいずれかが必要となります。年1回の国家試験に合格すれば、介護福祉士として活躍できます。介護福祉士になれば、「身体介護」「生活援助」「相談・助言」など、介護職の一通りの仕事をすることが可能です。一度取得すれば更新する必要はなく、ずっと使える資格です。介護の経験と知識、そして介護福祉士の資格があれば、給与のアップも望めて、就転職、結婚・出産・育児後でも就職に有利となります。
その他の介護資格
先に紹介した3つの資格以外にも、介護職には資格が存在します。ケアプランの作成や介護におけるコーディネートを行う「ケアマネジャー(介護支援専門員)」、介護保険など介護職に特化した事務を行う「介護事務」、レクリエーション知識やその実行スキルを持ち合わせた「レクリエーション介護士2級」、運動を通した身体ケアを指導する「介護予防運動指導員」、福祉用具の選び方や使い方のアドバイスを行える「福祉用具専門相談員」、介護サービス提供に関する責任者となる「サービス提供責任者」などがあるようです。
資格取得に最適な勉強方法とは
介護職に就いたなら、国家資格である介護福祉士の取得は目指したいものです。受験資格はいろいろな方法で取得できますが、国家試験に合格しないと介護福祉士にはなれません。では、どのような勉強方法を行えば、合格できるのでしょう。
過去問に向き合って傾向をつかむ
介護福祉士の国家試験に合格するには、まずは過去問に向き合ってみるのが一番です。さまざまな知識をつける必要もありますが、受験資格を得ている時点で、介護職についてのそれなりの知識は持っているはずです。過去問を解く際には、間違えることをおそれずにチャレンジしましょう。答え合わせの際には、正解していても間違っていても必ず解説を納得するまで読むことが重要です。「問題を解く⇒回答を見る⇒解説を読む」をひたすら繰り返すと、問題を解く力が自然についてきます。
何度も繰返し過去問を解く
過去問は、年度別にまとめてあります。去年の過去問を一通り解き終わったら、一昨年の過去問を解いていきましょう。それが済めば、さらに前年度といった具合にどんどん年度を遡って解いていきます。問題集全部解き終わったら、また最初から解いていきましょう。
全国統一模擬試験を受けてみる
しっかり受験対策していても本番に弱いと、実力を発揮できないまま終わるケースも珍しくありません。そこで、本番と同じような模擬試験を受けておきましょう。実際の試験当日の雰囲気や、緊張感を体験しながら試験を受けることができるので、本番に強くなれます。
介護の勉強は、現場で覚えるのがもっとも有効です。しかし、資格を取得するには現場でなく、スクールに通うほうが取得しやすい部分もあります。実際、昼間は介護現場で働いて夜の部のスクールに通っている方は多くいます。どの資格を取得したいかによって、通う時間や料金も変わるようです。まずは、自分の目標をしっかりと定めて、どうするべきかを見極めましょう。