介護職未経験の方が最初に働くなら特養がおすすめ!その理由とは
初めて介護の仕事をするならどんな施設で働くべきか、気になるところですよね。介護施設といっても種類は多く、実際にどの施設が自分に向いているのかは働いてみないと分からないものです。しかし、介護未経験者が最初の職場として選ぶべきおすすめの施設は「特養」だといえます。今回は特養がおすすめの理由や仕事内容についてご紹介します。
特養とは
特養とは「特別養護老人ホーム」の略で、正式名称は「介護老人福祉施設」です。自宅での介護が難しい、要介護度の高い高齢者が多いのが特徴です。そのため、自立している人は少なく、認知症や寝たきりの人が多いため、24時間365日のサポートが必要となります。
また、特養では最期の「看取り」まで行っているため、一度入居すれば入院や転院などがない限り、亡くなるまで入居可能です。特養は主に社会福祉法人が運営をしているので、他の施設に比べて比較的低価格で入居できる利点もあり、「終の棲家」として特養への入居を希望する人も多くみられます。
特養では介護士以外にも医師や看護師、理学療法士など多くの人が協力し合いながら入居者さんの生活を支えています。各専門職との連携によって入居者さんの生活が保たれるというわけです。
ほかの介護施設との違い
日本には特養以外にも多くの介護施設が存在します。みなさんも、介護保険老人施設やグループホーム、有料老人ホームという言葉を耳にしたことがあると思います。
さまざまな施設がある中でも、介護職未経験者に最もおすすめなのは「特養」だといわれています。それでは、何がほかの施設と違うのかについて解説していきます。
ほかの施設に比べて教育体制が整っている
特養は入居者さんだけでなく、スタッフの人数も多いのが特徴です。そのため、介護未経験者でも先輩介護士からしっかりとした教育が受けられる環境が整っています。
マンツーマンで先輩介護士について仕事を教えてもらえるので、1から仕事を学べるという意味でも特養はおすすめです。経験が浅いうちから一人で夜勤をすることもなく、複数人でのチームを組んで仕事をするので、新人介護士でも安心して取り組めます。
介護技術の基礎を学べる
特養は介護度の高い高齢者が多いため、幅広い介護が必要とされます。そのため、介護の仕事をしていく上での基礎となる介護技術を学ぶには最適だといえます。自立した人が多い施設では、おむつ交換や食事介助などの必要性は高くありません。
しかし特養なら、これらの介助は必要不可欠で、仕事をしながら効率よく働く術も身につけていけます。
体力がないと厳しい職場である
介護業界は重労働であり、体力勝負の世界です。とくに女性は、自分の身体より大きな男性入居者さんを介助する場合があり、力が必要なのは当然のことです。さらに特養は、ほかの施設に比べると寝たきりの人も多く、体力がない人には働き辛いと感じるでしょう。
グループホームでは1ユニットに5~9人ほどと人数が定められているため、仕事中にのんびりとした時間を確保できることもあります。しかし、規模が大きく大人数の入居者さんを看なくてはいけない特養では、のんびりとした時間はほぼないと思ってください。
ただし、そのような忙しい業務をこなしていくとこで、効率的に仕事をまわすスキルが身についてくるというわけです。
特養で最初に任される仕事
特養での主な仕事は大きく3つに分けられます。身体介護、健康管理、掃除・洗濯・衛生管理です。これらは介護業務の中でも基本であり、新人として働き始めた場合でも最初に覚えなければなりません。それぞれの業務内容を詳しくみていきましょう。
身体介護
身体介護とは食事介助・排泄介助・入浴介助のことをいい、一人で身の回りのことができない入居者さんの日常生活をサポートすることです。特養は介護度が高い人が多く入居されているため、この「身体介護」の必要性は高く、特養で仕事をすれば介護技術のスキルアップが期待できます。
食事を一人で食べられない人の横で口に食事を運ぶのが食事介助、おむつ交換やトイレへの誘導・付き添いを行うのが排泄介助、そして一人で入浴できない人に、機械を使って入浴をサポートしたり、身体を洗うお手伝いをしたりするのが入浴介助です。
健康管理
健康管理とは入居者さんの日頃の様子をチェックして記録することです。入居者さんの健康を維持するには、介護士だけではなく、医師や看護師との連携が重要です。その中でも一番入居者さんと接する時間が長いのが介護士なので、体温・血圧・食事摂取量や普段の様子をこまめにチェックして、異変があれば報告しなくてはなりません。
介護士は医療行ためを直接行うことはできませんが、入居者さんの健康維持には何よりも重要なポジションといえます。
掃除・洗濯・衛生管理
入居者さんの身の回りの清潔を保つことも介護士の大切な仕事です。居室の掃除には外部の業者が入ることもありますが、施設によっては自分たちが行うところもあります。また、汚れた衣類の洗濯も介護士が行います。
さらにベッドシーツも定期的に交換し、気持ちよく休んでもらえるように衛生管理を徹底します。
介護という仕事は、どんな職場であっても楽に仕事ができることはありません。その中でも、特養は体力的にはかなりハードな職場であることは間違いありません。ただし、しっかりと介護の基礎を学べ、確実にスキルアップできる職場であるため、初めて介護職にチャレンジする人には最もおすすめといえます。介護職としてキャリアを積んでいくのであれば、ぜひ特養での仕事を経験してみてください。先輩介護士のように入居者さんに信頼される介護士になってくださいね。